フルメタル・パニック!


2002

ストーリー

基本的には20世紀末から21世紀初頭の現実世界に準じた世界を描いており、1980年代の半ばまでは現実世界の歴史を辿っている。しかし、本作においてはソ連が崩壊していないため、冷戦構造が平政10年(平成10年と同時期と思われる。「平政」は本作における元号)になっても解消しておらず、また、中国が南北に分裂し、香港ベルリンのように分割統治されているなど、多くの異なる点がある。

相違点としては以下のものを挙げることができる。<!-- 原作を読むと、北朝鮮は日本からの援助が「豊作」で、その資金で原発(おそらく)を建設し、「経済も立ち直りを見せ」ている、といったように読めるのですが(長編1巻 p.145)。-->

  • 北朝鮮の経済状況が大きく異なる。現実の1990年代末期には北朝鮮は大規模な飢饉に見舞われているが、本作では豊作であり、悪化していた経済も立ち直りを見せ始めている。
  • 中国が南北に分断長江が境界線らしい)し、香港が分割統治されている。長江を境に、北側が東側陣営に属する人民解放委員会(北中国・北京政府)、南側が西側陣営中華民主連合(南中国・広州政府)となっており、実質的に内戦状態にある。香港は九竜半島側が北中国領、香港島側が南中国領となっており、香港における戦闘行為は協定によって禁止されている。しかしながら、分割(1997年?)以来ヴィクトリア湾を挟んで拳銃以外のあらゆる火器が届く距離でのにらみ合いが続いている(アニメ版では南京で南北間協議が行われている)。
  • 湾岸戦争の勃発がタジキスタンの分離独立問題やパレスチナ問題の激化に飛び火し、結果として第五次中東戦争が勃発した。その後クウェート北部で核が使用され、十数万人が死亡した(クウェート事件)。それによってイスラエルアラブ諸国の関係が硬化し、第五次中東戦争は泥沼化することになる。
  • クウェート事件の半年後、ゴルバチョフが暗殺され、ペレストロイカが失敗に終わった(あとがきで作者はゴルバチョフとアルクスニスに作中で「殺害」したことを謝罪している)。これによってソ連は尖鋭化することになり、冷戦構造は引き続き維持されることとなる(作中、マデューカスは「フルシチョフ以前の時代(=キューバ危機以前)にまた逆戻りだ」と語っている)。
  • ソ連の尖鋭化を受けてアフガニスタン再侵攻が行われた。結果としてアフガニスタンはソ連の影響下に置かれたため、この作品の世界においてタリバン政権は存在しない。
  • ブッシュが爆弾テロで死亡した?(未確定情報。作中において、「ブッシュの息子が爆弾テロで死んだ」との記述があるが、ブッシュ家の誰の息子が死んだのかまでは書かれていない)
  • B-2が存在しない。代わりにB-1にECS(電磁迷彩システム)が搭載されている。
  • 現実には当時の都知事である青島幸男が中止の決定をした世界都市博覧会が本作では行われ、大赤字に終わっている。ただし、青島幸男が本作の世界において都知事に就任していたか否かは不明である。

短編では都立陣代高校が主な舞台となっており、東京都調布市仙川にある東京都立神代高等学校がモデルであるとされている。実在する都立神代高校の最寄り駅は仙川駅だが、本作では「泉川」に変えられている。しかし、同じ調布市内にある調布飛行場などや調布市内の地名および京王線の駅名(仙川を除く)は作中でそのまま使われている。

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